トロントで生活を始めると、ほぼ必ず使うのがTTCです。
TTCは、トロント市内を走る地下鉄、バス、ストリートカーのことです。通学、通勤、買い物、内見、友達との待ち合わせなど、日常の移動でよく使います。
この記事では、トロント到着直後の留学生、ワーホリ、初めてカナダで生活する人向けに、TTCとPRESTOの基本をわかりやすくまとめます。
あわせて、GO Train、GO Bus、ナイアガラ、モントリオールなど、トロント市外へ移動するときの基本も軽く紹介します。
運賃・乗り換え・GO Transitのタップルールは変更される可能性があります。実際に利用する前に、TTC Fares and passes、TTC Service Alerts、PRESTO公式サイト、GO Transit公式サイト、VIA Rail公式サイト も確認してください。
到着直後の生活準備全体を整理したい場合は、カナダ生活を始める前に知っておきたいこと もあわせて確認してください。空港到着後の動きは ワーホリ到着後1週間でやること、携帯や銀行口座の準備は トロントでSIMカードを選ぶ前に知っておきたいこと と カナダで銀行口座を作る前に確認したいこと も参考になります。
TTCとは
TTCは、Toronto Transit Commissionの略です。
トロント市内の公共交通機関で、主に以下の3つがあります。
- 地下鉄
- バス
- ストリートカー
日本の電車ほど時間通りに来ないこともありますが、トロントで生活するならかなり使う機会が多いです。
特にダウンタウン、学校、語学学校、職場、シェアハウス、ショッピングモールへ行くときは、TTCを使う場面が多くなります。
TTCで使う主な交通手段
地下鉄
地下鉄は、トロント市内を大きく移動するときに便利です。
駅の改札で支払いをして、ホームへ向かいます。乗り方は日本の地下鉄に近いですが、週末や夜は工事で一部区間が止まることがあります。
大事な予定がある日は、出発前にTTCの運行情報を確認しておくと安心です。
バス
バスは、地下鉄の駅から住宅街、学校、職場へ向かうときによく使います。
基本的には前方のドアから乗り、PRESTOカード、スマホのPRESTO、クレジットカード、デビットカードなどを読み取り機にタップします。
降りるときは、黄色いコードを引く、またはボタンを押して「次で降ります」と知らせます。
日本のバスと違い、何もしないと通過されることがあるので注意しましょう。
ストリートカー
ストリートカーは、路面電車のような乗り物です。
ダウンタウン周辺ではよく見かけます。バスと同じように、乗るときに支払いをします。
道路の混雑や工事の影響を受けやすいので、時間に余裕を持って使うのがおすすめです。
PRESTOとは
PRESTOは、トロント周辺の公共交通で使える交通系ICサービスです。
日本でいうSuicaやPASMOに近いイメージです。
TTCだけでなく、GO Transit、UP Express、MiWay、YRTなど、トロント周辺の交通機関でも使われています。
PRESTOには、主に以下の使い方があります。
- 物理PRESTOカード
- スマホに入れるPRESTO
- PRESTOアプリで残高確認
- PRESTOアプリや駅の機械でチャージ
- PRESTOチケット
ただし、現在のTTCはPRESTOカードがなくても、クレジットカードやデビットカードで乗れます。
短期滞在ならクレジットカードだけでも十分なことがあります。長期滞在、GO Transitをよく使う人、割引運賃を使いたい人はPRESTOを持っておくと便利です。
TTCの支払い方法
TTCでは、主に以下の方法で支払いできます。
- PRESTOカード
- スマホやウォッチに入れたPRESTO
- クレジットカード
- デビットカード
- Apple Pay
- Google Pay
- 現金
- TTC用チケット
初心者におすすめなのは、PRESTOカード、またはクレジットカード・デビットカードのタップ払いです。
TTCの大人運賃は、PRESTOまたはクレジットカード・デビットカードで支払う場合、1回$3.30です。現金運賃や割引運賃は条件が異なるため、最新の料金は TTC Fares and passes で確認してください。
現金でも乗れますが、おつりが出ない、乗り換え条件がわかりにくいなど、初心者には少し不便です。
TTCの2時間ルール
TTCで一番大事なのが、2時間ルールです。
TTCでは、最初にタップしてから2時間以内であれば、地下鉄、バス、ストリートカーを何度乗り換えても、基本的に追加料金はかかりません。
たとえば、以下のような移動でも、2時間以内なら1回分の運賃で移動できます。
- 地下鉄 → バス
- バス → 地下鉄
- 地下鉄 → ストリートカー
- ストリートカー → バス
- 途中で買い物して、またTTCに乗る
「乗り換えでまたタップしたら、もう一度請求されるのでは?」と不安になる人も多いですが、同じ支払い方法を使っていれば、2時間以内の追加タップは乗り換えとして処理されます。
つまり、クレジットカードで最初にタップした場合、2時間以内に同じクレジットカードで何度タップしても、通常は追加請求されません。
乗り換えでは必ず同じカードを使う
TTCで失敗しやすいのが、乗り換えのときに違う支払い方法を使ってしまうことです。
最初に使った支払い方法と、乗り換えで使う支払い方法は必ず同じにしましょう。
たとえば、最初にクレジットカードでタップしたなら、乗り換えでも同じクレジットカードを使います。
最初にスマホのApple Payでタップしたなら、乗り換えでも同じスマホの同じカードを使います。
やってはいけない例は以下です。
- 最初はPRESTO、乗り換えはクレジットカードでタップする
- 最初はクレカ本体、乗り換えはスマホの同じクレカでタップする
- 最初はスマホ、乗り換えはスマートウォッチでタップする
- 行きはAのクレカ、乗り換えはBのクレカでタップする
- 財布ごとタップして、複数のカードが反応してしまう
同じクレジットカードでも、カード本体、スマホ、スマートウォッチは別の支払い方法として扱われることがあります。
「同じカード番号だから大丈夫」と思わず、同じカード・同じ端末でタップするのが安全です。
TTCでは毎回タップが必要
TTCでは、2時間以内の乗り換えでも、乗るたびにタップします。
地下鉄なら改札でタップ。
バスなら乗るときにタップ。
ストリートカーも乗るときにタップ。
2時間以内なら追加料金はかからないことが多いですが、タップ自体は必要です。
タップしたカードやスマホは、そのまま支払い証明になります。
ストリートカーや駅構内で検札が来たときは、実際にタップしたカード、スマホ、スマートウォッチを見せます。
違うカードを見せると「支払っていない」と判断される可能性があるので注意してください。
2026年9月からTTCの月額上限が始まる
TTC公式発表によると、2026年9月1日からTTCに月額運賃の上限設定が導入されます。
かんたんに言うと、同じ月の中で一定回数まで支払えば、その後は月末までTTCに無料で乗れる仕組みです。
2026年9月からは、1か月の中で47回分の有料乗車をすると、それ以降のTTC乗車が無料になります。詳細は TTCの月額運賃上限案内 を確認してください。
ここでいう1回は、最初にタップしてから2時間以内の移動をまとめたものです。
たとえば、朝に地下鉄へ乗って、2時間以内にバスへ乗り換えた場合、それは1回分としてカウントされます。
月額上限を使うときの注意点
月額上限を使うには、1か月の間、同じ支払い方法を使い続けることが大切です。
たとえば、月の前半はクレジットカード、後半はスマホのApple Payを使うと、カウントが分かれてしまう可能性があります。
月47回を早く達成したい人は、以下を守りましょう。
- 毎回同じPRESTOカードを使う
- 毎回同じクレジットカードを使う
- 毎回同じスマホ・同じカードでタップする
- スマホとウォッチを混ぜない
- 財布ごとタップしない
- 友達と1枚のカードを使い回さない
月額上限に達したあとも、TTCに乗るときは毎回タップが必要です。
タップしないと、検札時に支払い証明が残らない可能性があります。
TTCは乗るときだけタップでOK?
TTCだけを使う場合、基本的には乗るときにタップします。
地下鉄、バス、ストリートカーでは、通常、降りるときにタップする必要はありません。
ただし、例外があります。
TTCからGO Transit、UP Express、MiWay、YRTなど別の交通機関へ乗り換える場合は、乗り換え先のルールに従う必要があります。
特にGO TransitはTTCとルールが違います。
GO Transitとは
GO Transitは、トロント市内だけでなく、周辺都市へ行くための交通機関です。
主に以下の2つがあります。
- GO Train
- GO Bus
TTCが「トロント市内の移動」なら、GO Transitは「トロント周辺の都市へ行く移動」というイメージです。
たとえば、Mississauga、Brampton、Hamilton、Burlington、Oshawa、Niagara Fallsなどへ行くときに使うことがあります。
GO Trainの乗り方
GO Trainは、駅のホーム付近にあるPRESTO端末でタップしてから乗ります。
流れは以下です。
- 駅に行く
- ホーム付近のPRESTO端末でタップオン
- GO Trainに乗る
- 目的地で降りる
- 駅のPRESTO端末でタップオフ
GO Trainでは、基本的に乗る前と降りた後の両方でタップが必要です。
TTCと違い、GO Transitは距離によって料金が変わります。
そのため、降りるときにタップオフしないと、正しい運賃にならないことがあります。
タップオフを忘れると、実際に降りた駅より遠くまで行った扱いになり、高く請求されることがあります。
GO Busの乗り方
GO Busも、TTCのバスとは乗り方が違います。
TTCのバスは基本的に乗るときだけタップですが、GO Busは乗るときと降りるときの両方でタップします。
流れは以下です。
- GO Busに乗る
- 車内の端末でタップオン
- 目的地で降りる前にタップオフ
- バスを降りる
GO Busは距離制運賃なので、タップオフを忘れると正しく計算されません。
GO BusからGO Trainへ乗り換える場合は、バスでタップオフし、駅でGO Trainにタップオンし、目的地でまたタップオフします。
少し面倒ですが、GOを使うときは「乗るときも降りるときもタップ」と覚えておくと安心です。
GO Transitには3時間の移動時間がある
GO Transitでは、片道の移動を3時間以内に完了する前提のルールがあります。
GO Bus同士、GO BusからGO Train、GO TrainからGO Busへの乗り換えでは、条件を満たせば乗り換え分が自動で処理されます。
ただし、3時間を超えてからタップオフすると、別の乗車として処理されることがあります。
長距離移動、大幅な遅延、乗り換えが多い移動では、GO Transit公式のTrip Plannerや駅スタッフに確認すると安心です。
TTCとGOを乗り継ぐとき
TTCとGO Transitを乗り継ぐ場合、Ontario One Fareという仕組みがあります。
条件を満たすと、TTCとGO Transitを乗り継ぐときの運賃が自動で調整され、二重に高くならないようになっています。対象や条件は TTCのOne Fare Program案内 と GO Transitの公式情報 を確認してください。
大事なのは、同じ支払い方法を使うことです。
たとえば、TTCでクレジットカードを使ったなら、GOでも同じクレジットカードを使います。
TTCでPRESTOカードを使ったなら、GOでも同じPRESTOカードを使います。
GOではタップオフも忘れないようにしましょう。
なお、GOのEチケットなどはOne Fareの対象外になる場合があります。TTCとGOを乗り継ぐ日は、PRESTOカード、クレジットカード、デビットカードなど、対応している支払い方法を使うのが無難です。
ナイアガラへ行く方法
トロントからナイアガラへ行くなら、GO Transitを使う方法があります。
出発地は、基本的にToronto Union Stationを考えるとわかりやすいです。
目的地は、Niagara Falls GO Station、またはNiagara Falls Bus Terminal周辺です。
直通のGO Trainがある日もありますが、TTCのように本数が多いわけではありません。
曜日、季節、工事、時間帯によって変わるので、必ず事前にスケジュールを確認しましょう。
直通のGO Trainがない場合は、以下のような行き方があります。
- Union StationからLakeshore WestのGO Trainに乗る
- Burlington方面へ行く
- BurlingtonでGO Bus Route 12に乗り換える
- Niagara Falls方面へ行く
ナイアガラの滝周辺まで行く場合は、現地のWEGOバスとセットになったチケットが便利なこともあります。
ナイアガラは日帰りでも行けますが、帰りの本数が限られることがあります。
行きの時間だけでなく、帰りの最終便も先に確認しておきましょう。
モントリオールへ行く方法
トロントからモントリオールへ行く場合、TTCやGO Transitではなく、VIA Railや長距離バスを使います。
VIA Railは、カナダの都市間鉄道です。
トロントではToronto Union Stationから乗り、モントリオール方面へ向かいます。
所要時間はだいたい5時間前後です。座席指定で、飛行機より気軽に移動しやすいのがメリットです。
ただし、チケット料金は日程や時間帯で変わります。早めに予約した方が安いことが多いです。
長距離バスなら、MegabusやFlixBusなどがあります。
Toronto Union Station Bus Terminalから出る便もありますが、会社や便によって乗り場が違うことがあります。
予約前に必ず確認したいのは以下です。
- 出発場所
- 到着場所
- 所要時間
- 荷物ルール
- キャンセル条件
- 深夜到着にならないか
バスは安いことがありますが、電車より時間がかかる場合があります。
安さだけで選ばず、到着時間と安全面も見て選びましょう。
トロントから別の都市へ行くときの考え方
トロントから別の都市へ行くときは、ざっくり以下のように考えるとわかりやすいです。
近郊都市ならGO Transit。
遠い都市ならVIA Railか長距離バス。
急ぎなら飛行機。
たとえば、Hamilton、Burlington、Oshawa、MississaugaなどはGO Transitで行けることが多いです。
Niagara FallsもGO Transitで行けますが、本数や乗り換えは必ず確認が必要です。
Montreal、Ottawa、Kingston、Londonなどは、VIA Railや長距離バスを比較すると選びやすいです。
日本の電車のように「駅に行けばすぐ来る」とは限りません。
特にGO Train、GO Bus、VIA Rail、長距離バスは、1日の本数が限られていることがあります。
出発前に見るべきポイントは以下です。
- どこから乗るか
- どこに着くか
- 直通か乗り換えありか
- 1日の本数は多いか
- 帰りの最終便は何時か
- 遅れた場合の代替手段はあるか
初めて行く場所は、行きだけでなく帰りまで先に調べておきましょう。
空港から市内への移動
トロント・ピアソン国際空港から市内へ行く方法はいくつかあります。
代表的なのは以下です。
- TTC
- UP Express
- タクシー
- UberやLyftなどのライドシェア
安く移動したいならTTCが候補になります。
空港からTTCのバスに乗り、地下鉄へ乗り換えて市内へ向かう方法があります。
早くてわかりやすい移動をしたいなら、UP Expressも便利です。空港とUnion Stationを結ぶ電車で、荷物が多い人にも使いやすいです。
ただし、到着直後で荷物が多い、夜遅い、英語に不安がある、滞在先が駅から遠い場合は、タクシーやライドシェアも検討しましょう。
最初の移動で無理をしすぎないことも大事です。
夜の移動で気をつけたいこと
トロントは公共交通で移動しやすい街ですが、夜は注意が必要です。
特に到着直後や土地勘がない時期は、以下を意識しましょう。
- 深夜は乗り換え回数を減らす
- 暗い停留所で長く待たない
- スマホの充電を残しておく
- 目的地周辺の雰囲気を事前に確認する
- イヤホンで周囲の音を完全に遮らない
- 不安なら無理せずライドシェアを使う
TTCには夜間に動く路線もありますが、日中と同じ感覚で移動できるとは限りません。
夜に初めて行く場所は、帰り方まで確認してから出かけましょう。
初心者がやりがちなミス
違うカードで乗り換える
最初に使ったカードと違うカードで乗り換えると、新しい運賃として請求されることがあります。
TTCでは、乗り換えも同じカード、同じスマホ、同じ端末を使いましょう。
財布ごとタップする
財布の中にPRESTO、クレジットカード、デビットカードが複数入っていると、意図しないカードが反応することがあります。
支払いたいカードだけを出してタップしましょう。
スマホとカード本体を混ぜる
同じクレジットカードでも、カード本体とスマホのウォレットは別扱いになることがあります。
最初にスマホでタップしたなら、乗り換えもスマホでタップしましょう。
GOでタップオフを忘れる
TTCだけなら基本的に降りるときのタップは不要です。
しかし、GO TrainやGO Busでは、基本的に降りるときもタップオフが必要です。
TTCとGOを同じ感覚で使わないようにしましょう。
帰りの便を確認しない
ナイアガラや別の都市へ行くときは、行きだけでなく帰りの便も必ず確認しましょう。
特にGO、VIA Rail、長距離バスは本数が限られます。
夜に帰れなくなるとかなり困ります。
TTC・PRESTO初心者チェックリスト
トロントでTTCを使う前に、以下を確認しておくと安心です。
- TTCは地下鉄、バス、ストリートカーのことだと理解した
- PRESTOカードかクレジットカードなど、自分の支払い方法を決めた
- TTCは最初のタップから2時間以内なら乗り換え無料と理解した
- 乗り換えでは同じカード・同じ端末を使うと理解した
- クレカ本体、スマホ、スマートウォッチを混ぜないと理解した
- 財布ごとタップしない
- TTCでは乗るたびにタップする
- TTCだけなら基本的に降りるときのタップは不要
- GO TrainとGO Busは乗るときも降りるときもタップする
- ナイアガラや市外へ行くときは本数と帰りの便を確認する
- 運休や遅延情報は公式サイトで確認する
まとめ
トロント生活では、TTCを使えるようになるだけで行動範囲がかなり広がります。
まず覚えるべきことはシンプルです。
TTCは乗るときにタップ。
2時間以内の乗り換えは、同じ支払い方法なら追加料金なし。
2026年9月からは、月47回を超えるとその月の残りのTTC乗車が無料。
GO TransitはTTCと違い、乗るときも降りるときもタップ。
ナイアガラやモントリオールへ行くときは、事前に本数と帰りの便を確認。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、数回乗ればすぐ慣れます。
トロントに着いたら、まずは家から学校、職場、スーパー、Union Stationまでの行き方を調べておくと、生活がかなり楽になります。



