
カナダでの仕事を終えて日本へ帰る前は、荷造り、銀行口座、部屋の退去、携帯契約などで慌ただしくなります。 その中で後回しになりやすいのが、最後の給料、T4、タックスリターン、雇用主への連絡先確認です。
特にトロント周辺でワーホリ、学生ビザ、ポスグラ、短期就労などで働いていた人は、帰国後に勤務先へ連絡するのが難しくなることがあります。担当者が変わった、給与ポータルに入れなくなった、会社のメールが分からない、というだけで、T4や未払い分の確認に時間がかかることもあります。
この記事では、カナダで働いた人が帰国前に整理しておきたいお金と書類まわりを、日本語で確認できるメモとしてまとめます。
この記事で分かること
- 最後の給料で確認したい項目
- T4、ROE、タックスリターンの基本
- 帰国前にCRAや雇用主へ確認しておきたいこと
- 日本へ戻った後に困らないための保存メモ
まず結論
帰国前に最低限やっておきたいのは、最終給与の内訳確認、T4の受け取り方法の確認、CRA情報の更新、雇用主連絡先の保存です。
「もう辞めるから大丈夫」と思っていても、T4は翌年に必要になることがあります。給与明細やシフト記録も、あとで差額や税金を確認するときに役立ちます。
最後の給料で確認したいこと
退職日が決まったら、最後の給料に何が含まれるかを確認しておきましょう。
通常の勤務分だけでなく、次のようなものが残っていないかを見ます。
- 最終勤務日までの時給・給与
- 未払いの残業代
- コミッション
- チップ
- 未消化分のバケーションペイ
- 祝日手当
- 立て替えた経費
- 研修期間や試用期間中の未払い分
オンタリオ州では、雇用が終了した人に支払うべき賃金について、雇用終了から7日後、または次の通常給与日のいずれか遅い日までに支払うルールがあります。
ただし、実際の支払日は勤務先の給与サイクルによって変わることがあります。退職前に「いつ、どの方法で、何が含まれて支払われるのか」をメールやメッセージで確認しておくと安心です。
ペイスタブは必ず保存する
最後の給与明細、いわゆるpaystubは必ず保存しておきましょう。
退職後も給与ポータルに入れると思っていたら、一定期間後にログインできなくなることがあります。T4が出るまで何も保存していないと、後から自分で勤務時間や控除額を確認しづらくなります。
保存しておきたいものは、次のような書類です。
- 雇用契約書、オファーレター
- 最終ペイスタブ
- 過去のペイスタブ
- シフト表、勤務時間の記録
- 退職日のやり取り
- チップやコミッションの記録
- 立て替え経費のレシート
- 雇用主の正式名称と住所
スクリーンショットだけでなく、PDFとして保存できるものはPDFで残しておくと見返しやすくなります。

T4は翌年2月末までに届く
カナダで雇用されて給与を受け取った人には、通常、翌年にT4 slipが発行されます。 T4には、その年に受け取った給与、控除された所得税、CPP、EIなどが記載されます。
カナダでタックスリターンをする場合、T4は重要な書類です。日本に帰国していても、カナダで働いた年の申告をするなら必要になることがあります。
雇用主は、対象年の翌年2月末までに従業員へT4を渡す必要があります。受け取り方法は、会社の給与ポータル、メール、郵送など勤務先によって異なります。
退職前に、次の点を確認しておきましょう。
- T4はどの方法で受け取るのか
- 退職後も給与ポータルへログインできるのか
- 日本のメールアドレスへ送ってもらえるのか
- 帰国後住所が必要か
- T4担当者、Payroll、HRの連絡先はどこか
会社の個人チャットやSNSだけでつながっている場合、担当者が辞めると連絡が途切れることがあります。できれば会社の公式メールアドレスを控え、退職前にT4の受け取り方法を文章で確認しておきましょう。
ROEも確認しておく
雇用が終了したとき、雇用主はROE、Record of Employmentを発行します。 ROEは主にEmployment Insurance、いわゆるEIに関係する書類です。
帰国する人が必ずEIを申請するわけではありませんが、ROEは雇用が終了した記録として大切です。電子ROEの場合はMy Service Canada Accountで確認できることがあります。紙で発行される場合もあります。
退職後に「ROEは出ていますか」と確認できるよう、HRや給与担当の連絡先を残しておきましょう。
タックスリターンは帰国後でも関係する
カナダを離れた年の税金は、人によって扱いが変わります。
ワーホリや留学生として働いていた人でも、給与から所得税が控除されていた場合、タックスリターンで還付が出ることがあります。一方で、出国日、カナダでの居住ステータス、日本での収入、カナダ国内の口座や資産、カナダ源泉の収入によって確認すべき内容が変わることもあります。
帰国前に整理しておきたい情報は次の通りです。
- カナダを出国した日
- その年に住んでいた州
- カナダで働いた期間
- 雇用主ごとのT4
- 家賃や住所履歴
- カナダの銀行口座情報
- 日本帰国後にカナダから受け取る収入の有無
- CRA My Accountにログインできるか
税務上の居住者・非居住者の判断は、単に「日本へ帰ったかどうか」だけでは決まりません。不安がある場合は、CRA公式情報や税務専門家に確認してください。
CRAの住所と連絡先を見直す
帰国前に、CRA My Accountへログインできるか確認しておくと便利です。 T4、Notice of Assessment、還付状況、住所情報などを確認しやすくなります。
住所変更が必要な場合は、CRAの案内に従って更新します。郵送で住所変更をする場合は処理に時間がかかることがあるため、帰国直前ではなく早めに確認しておきましょう。
還付を受け取る可能性がある人は、銀行口座も見直します。カナダの銀行口座を閉じる前に、最終給与、CRAからの還付、口座維持費、帰国後の送金予定を確認してください。
雇用主連絡先は「人」より「窓口」で残す
帰国後に必要になる連絡は、元マネージャーへの近況報告ではなく、給与、T4、ROE、税務書類に関する事務連絡です。
退職前に、以下を1か所にまとめておきましょう。
- 会社の正式名称
- 店舗名、勤務先住所
- 給与担当、HR、Payrollのメールアドレス
- 電話番号
- 担当者名
- 最終勤務日
- 従業員番号
- 給与ポータルのURL
- T4の受け取り方法
- ROEの確認方法
LINE、WhatsApp、Instagramだけでやり取りしていた場合でも、最後は会社の公式メールで確認しておくと記録が残ります。
退職前に送れる確認メッセージ例
退職日が近づいたら、以下のような短いメッセージを送っておくと整理しやすくなります。
Hello, As my last working day is coming up, could you please confirm the expected payment date for my final pay, including any vacation pay or outstanding amounts? Also, could you let me know how I will receive my T4 slip and who I should contact after I leave Canada if I have any payroll or tax document questions? Thank you.
日本語でメモを残すなら、内容は次の3点です。
- 最終給与はいつ支払われるか
- バケーションペイや未払い分は含まれるか
- T4とROEはどの方法で受け取るか
81 Torontoで次にできること
トロントで仕事を探すときは、採用時の条件だけでなく、辞めるときに記録が残るかも大切です。時給、チップ、支払日、給与明細、雇用主の正式名称は、働き始める前から確認しておくと、帰国前の整理も楽になります。
81 Torontoでは、トロント周辺の求人掲載や仕事探しに関する記事を確認できます。求人を見るときは、条件だけでなく、支払い方法、連絡先、給与明細、T4対応についても自分で確認しましょう。掲載情報の正確性や雇用条件の安全性を81 Torontoが保証するものではありません。応募、契約、個人情報の提出は、必ず本人が確認しながら進めてください。
まとめ
カナダで働いた人が帰国前に確認したいことは、難しい手続きばかりではありません。 ただし、帰国してからだと連絡や確認に時間がかかるものが多いです。
退職前後に、最終給与、T4、ROE、CRA、雇用主連絡先をまとめておきましょう。特にT4は翌年のタックスリターンで必要になることがあるため、受け取り方法を確認しておくことが大切です。
「最後の給料が入ったら終わり」ではなく、「翌年のT4まで受け取れる状態にして帰る」と考えると、帰国後の不安を減らしやすくなります。
公式リンク欄
一般情報としての注意書き
この記事は、トロント在住・渡航予定の日本語読者向けに、カナダで働いた後の帰国前確認を整理した一般情報です。税務、法律、雇用、居住ステータスの判断は個別事情によって変わります。最新の制度、期限、必要書類、申告方法は、CRA、Service Canada、Ontario.caなどの公式情報、または税務・法律・雇用分野の専門家に確認してください。


