
トロントで仕事探しを始めると、最初につまずきやすいのが「レジュメ」です。
日本で使う履歴書や職務経歴書の感覚で作ると、情報を入れすぎてしまったり、逆にカナダの採用担当者が見たいポイントが伝わらなかったりします。特に、顔写真、生年月日、性別、配偶者の有無などを入れる日本式の履歴書に慣れている人は、トロント向けのレジュメでは考え方を切り替える必要があります。
この記事では、トロントでレジュメを作る前に知っておきたい基本と、日本式履歴書との違いを整理します。
トロントのレジュメは「面接につなげる資料」
日本の履歴書は、学歴、職歴、資格、志望動機、本人情報を決まった形式で埋めるものというイメージがあります。一方、カナダのレジュメは、採用担当者に「この人に会って話を聞いてみたい」と思ってもらうための資料です。
そのため、すべての経歴を同じ重さで並べるのではなく、応募する仕事に関係する経験やスキルを前に出します。
たとえばカフェの仕事に応募するなら、オフィス経験を長く書くよりも、接客、レジ対応、チームワーク、英語でのコミュニケーション、忙しい時間帯の対応経験などが伝わる書き方のほうが実用的です。

日本式履歴書と大きく違うポイント
一番大きな違いは、個人情報をあまり書かないことです。
日本の履歴書では、顔写真、生年月日、年齢、性別、住所、配偶者の有無などを書く欄があることも多いですが、トロントで使うレジュメでは、その感覚をそのまま持ち込まない方が自然です。
カナダ向けのレジュメでは、基本的に次のような情報は入れません。
- 顔写真
- 生年月日
- 年齢
- 性別
- 配偶者の有無
- 扶養家族
- 健康状態
- 宗教
- 国籍
- SIN
- 詳細すぎる住所
住所についても、番地まで書く必要はないことが多いです。Toronto, ON のように市と州だけにするか、完全に省略しても違和感がない場合があります。
連絡先として大切なのは、電話番号、メールアドレス、必要に応じてLinkedInプロフィールです。メールアドレスは、できるだけシンプルで仕事向きのものを使いましょう。
レジュメは1〜2ページが基本
日本の履歴書はフォーマットがある程度決まっていますが、カナダのレジュメは自由度が高いです。ただし、自由だからといって長く書けばよいわけではありません。
トロントでアルバイト、ワーホリ、カレッジ在学中の仕事、エントリーレベルの仕事に応募する場合は、1ページにまとめることが多いです。専門職や経験年数がある場合でも、2ページ程度に収めると読みやすくなります。
大切なのは、「自分が何をしてきたか」を全部並べることではありません。応募先にとって関係がある経験が、すぐに見えることです。
書く順番は「見てほしい情報」から
日本の履歴書では、学歴や職歴を古い順に書くことが一般的です。カナダのレジュメでは、基本的に新しい経験から書きます。
よく使われる構成は、次のような流れです。
- Name / Contact
- Summary または Profile
- Skills
- Work Experience
- Education
- Certifications
- Volunteer Experience や Projects
学生や未経験分野に挑戦する人は、ボランティア経験、学校のプロジェクト、言語スキルなどを入れてもよいでしょう。
Summaryは長い自己PRではなく、「どのような経験があり、どの仕事に向いている人か」を2〜3行で伝える部分です。
たとえば、接客職なら次のような方向です。
> Customer service professional with experience in fast-paced retail and hospitality environments. Skilled in cash handling, teamwork, and communicating with diverse customers.
日本語で考えると、「忙しい接客環境での経験があり、レジ対応、チームワーク、多様な客層とのコミュニケーションに強みがある人」という意味です。
「まじめです」よりも「何をしたか」を書く
日本の応募書類では、協調性、責任感、真面目さ、やる気などの言葉がよく使われます。もちろん大事な要素ですが、カナダのレジュメでは、それだけだと少し抽象的に見えます。
たとえば「責任感があります」と書くよりも、次のように具体化したほうが伝わりやすくなります。
- Handled opening and closing duties for a busy café.
- Processed 80+ customer transactions per shift.
- Trained three new staff members on POS system and store procedures.
- Assisted customers in English and Japanese in a fast-paced retail environment.
数字や具体的な行動が入ると、採用担当者が仕事内容をイメージしやすくなります。
数字が正確に出せない場合でも、busy、fast-paced、multiple、daily、team environment などの言葉を使うと、経験の雰囲気が伝わります。

日本での経験は「カナダの職場に伝わる言葉」に置き換える
日本での職歴がある人は、そのまま英訳するだけでは伝わりにくいことがあります。
たとえば「営業事務」とだけ書いても、カナダの採用担当者には具体的な仕事内容が見えにくい場合があります。肩書きよりも、実際に担当した業務を書きましょう。
たとえば、次のように書くと伝わりやすくなります。
> Prepared sales reports, coordinated client communications, managed invoices, and supported a team of five sales representatives.
この一文なら、事務処理、顧客対応、請求書管理、チームサポートの経験が伝わります。
日本の会社名がカナダで知られていない場合は、会社名の横に業種を短く補足してもよいです。
> ABC Co., Ltd. — Retail company in Tokyo, Japan
会社名の知名度よりも、「どんな環境で、何を担当していたか」が伝わることを意識しましょう。
応募先ごとに少しずつ変える
トロントでレジュメを使うとき、1つのレジュメをすべての求人に送るより、応募先に合わせて少し調整するほうが使いやすくなります。
求人掲載に次のような言葉がある場合は、自分の経験の中で該当するものをレジュメに自然に入れます。
- customer service
- cash handling
- food safety
- multitasking
- communication skills
- team player
- availability on weekends
- Japanese and English communication
これは大げさに盛るという意味ではありません。応募先が探している条件と、自分の経験が重なる部分を、見つけやすくする作業です。
81 Torontoの求人掲示板や、カフェ、レストラン、ショップ、オフィス系の求人を見るときも、まずは仕事内容の中に何度も出てくる言葉を拾ってみると、レジュメで強調すべきポイントが見えてきます。
ただし、掲載情報の正確性や契約条件の安全性が保証されるわけではありません。応募前には、雇用主情報、勤務条件、給与、支払い方法を自分でも確認しましょう。
カバーレターは必要?
カナダでは、レジュメと一緒にCover Letterを求められることがあります。必須でない場合もありますが、職種によっては送ったほうが印象を補いやすいです。
カバーレターは、レジュメの内容を長く繰り返すものではありません。
伝えるのは、主に次の3つです。
- なぜこの仕事に応募するのか
- 自分のどの経験が役に立つのか
- いつから働けるのか、どのような勤務ができるのか
特に、未経験職種に応募する場合や、日本での経験をカナダの仕事にどう活かせるかを説明したい場合は、カバーレターが役立ちます。
Referencesは最初から書かなくてよい
カナダのレジュメでは、Referencesを最初から載せないことが多いです。
References available upon request と書く人もいますが、最近はそれも省略されることがあります。必要になった段階で、前職の上司、学校関係者、ボランティア先の担当者など、仕事ぶりを説明できる人の連絡先を別で提出します。
まだカナダでのReferenceがない人は、日本での上司や先生に英語で対応できるか確認しておくと安心です。
ただし、応募段階で相手に個人情報を渡しすぎないことも大切です。Referenceの連絡先は、雇用主側から正式に求められてから共有する形が無難です。
よくある失敗
トロントで初めてレジュメを作る人に多いのは、日本式履歴書をそのまま英語にしただけのパターンです。
特に、次のような点は見直しましょう。
- 顔写真を入れている
- 生年月日や年齢を書いている
- SINを書いている
- 学歴を古い順に細かく書きすぎている
- 仕事内容より会社名や肩書きが目立っている
- 志望動機が長すぎる
- すべての職歴を同じ量で書いている
- 応募先と関係のない情報が多い
- ファイル名が分かりにくい
また、英語に自信がない人ほど、難しい言い回しを使おうとして不自然になることがあります。レジュメでは、凝った文章よりも、短く、具体的で、読みやすい表現のほうが向いています。

送る前に確認したいこと
レジュメを送る前に、最低限ここだけは確認しておきましょう。
- 名前、電話番号、メールアドレスに間違いがない
- 応募する仕事に関係する経験が上の方にある
- 写真や生年月日など、不要な個人情報を入れていない
- SINを書いていない
- スペルミスがない
- ファイル名が分かりやすい
- PDF形式で送れる状態になっている
- 求人掲載で指定された形式があれば、それに従っている
ファイル名は、Resume_TaroYamada.pdf のように、採用担当者が誰の書類か分かる形にしておくと扱いやすいです。
求人掲載でWord形式やオンラインフォームが指定されている場合は、その指定に従いましょう。
81 Torontoで求人を見るときの使い方
トロントで日本語対応の仕事や、ワーホリ・留学生向けの仕事を探す時は、81 Torontoの求人掲示板も選択肢のひとつです。
掲載を見るときは、職種名だけで判断せず、次の点を確認しましょう。
- 仕事内容
- 勤務地
- 給与やチップの扱い
- 勤務時間
- 必要な英語力
- トレーニングの有無
- 雇用形態
- 支払い方法
- 応募時に必要な書類
気になる求人があれば、掲載文の中に出てくるキーワードをレジュメに反映できないか見てみましょう。
たとえば、掲載に customer service、cashier、kitchen helper、Japanese speaker、weekend availability などが出ているなら、自分の経験の中で近いものを探して、レジュメ上で分かりやすく見せることができます。
まとめ
トロントで使うレジュメは、日本式履歴書とは目的も書き方も違います。
大切なのは、個人情報を詳しく書くことではなく、応募する仕事に関係する経験やスキルを分かりやすく伝えることです。写真、生年月日、性別、婚姻状況、SINなどは入れず、仕事内容に合う経験を、具体的な行動や数字で見せましょう。
最初の1枚を完璧に作ろうとするよりも、応募先に合わせて少しずつ調整しながら改善していく方が、トロントでの仕事探しには合っています。
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一般情報としての注意書き
この記事は、トロントで仕事探しをする人向けの一般的な情報です。法的助言、移民・ビザ助言、雇用契約に関する専門的助言ではありません。
実際の応募条件、雇用契約、就労資格、給与、勤務時間、勤務先の信頼性については、求人掲載元、雇用主、政府公式情報、必要に応じて専門家に確認してください。81 Toronto上の掲載情報の正確性や、契約・取引の安全性を保証するものではありません。


