
トロントで生活を始めると、ほぼ毎日のように使うことになるのがTTCです。TTCは地下鉄、ストリートカー、バスを運行しているトロント市内の公共交通で、通学、通勤、買い物、友人との待ち合わせなど、日常の移動に欠かせません。
最初に迷いやすいのは、「どうやって払うのか」「乗り換えでまた料金がかかるのか」「PRESTOカードは必要なのか」「定期券は買った方がいいのか」というあたりです。
結論から言うと、トロントに来たばかりの人は、まず支払い方法を1つに決めて、乗るたびに同じカードやスマホでタップすることを覚えれば大丈夫です。TTCの2時間乗り換え、支払い証明、今後の月間運賃上限は、どれも「同じ支払い方法を使う」ことが大切になります。
TTCで使える主な支払い方法
TTCでは、主に次の方法で運賃を支払えます。
- PRESTOカード
- スマホのPRESTOカード
- PRESTOチケット
- クレジットカードのタップ払い
- デビットカードのタップ払い
- Apple PayやGoogle Payなどのスマホ決済
- 現金
大人運賃の場合、PRESTOカードやクレジットカード・デビットカードのタップ払いは、現金より少し分かりやすく使えます。特に、乗り換えが多い人、毎日TTCを使う人、GO TransitやMiWayなど他の交通機関にも乗る人は、PRESTOまたはタップ払いに慣れておくと便利です。
一方で、短期旅行や到着直後だけなら、クレジットカードやデビットカードのタップ払いでも移動できます。PRESTOカードを買う前に、まずはTTCに乗ってみたい人にも使いやすい方法です。
ただし、ユース、シニア、Fair Passなどの割引運賃は、クレジットカードやデビットカードのタップ払いでは使えない場合があります。割引対象の人は、対象運賃が設定されたPRESTOカードを使う必要があります。
まず覚えたい「2時間乗り換え」
TTCで最初に知っておきたいのが、2時間乗り換えです。
PRESTOカード、PRESTOチケット、クレジットカード、デビットカードなどの対象支払い方法で支払うと、最初のタップから2時間以内は、TTC内の乗り換えが追加料金なしになります。
たとえば、地下鉄に乗って、途中でバスに乗り換え、さらにストリートカーに乗るような移動でも、2時間以内であれば基本的に1回分の運賃枠で移動できます。途中で買い物をして、同じ2時間以内にまたTTCに乗るような場合も、同じ支払い方法を使えば追加課金されないことがあります。
ここで大切なのは、乗り換えのたびにタップすることです。
2時間以内だからといって、タップしなくてよいわけではありません。地下鉄駅に入るとき、バスやストリートカーに乗るとき、読取機がある場面では毎回タップします。2時間以内であれば、読取機が乗り換え中だと判定し、追加料金がかからない仕組みです。
同じカード・同じスマホでタップする
2時間乗り換えで失敗しやすいのが、支払い方法を途中で変えてしまうことです。
たとえば、最初は物理クレジットカードでタップし、乗り換え時にApple Payで同じカードを使ったつもりでも、システム上は別の支払い方法として扱われる場合があります。PRESTOカード、スマホのPRESTO、クレジットカード、デビットカードも、それぞれ別の支払い方法です。
そのため、TTCに乗る日は「今日はこのカードで乗る」と決めて、乗り換えも検札も同じものを使うのが安心です。
財布ごと読取機に当てるのも避けた方がよいです。PRESTOリーダーは、PRESTOカードだけでなく、クレジットカードやデビットカードも読み取れます。財布の中に複数の対応カードが入っていると、意図しないカードに課金される可能性があります。
Proof of Paymentも同じ支払い方法が必要
TTCでは、支払いに使ったPRESTOカード、PRESTOチケット、クレジットカード、デビットカード、スマホなどがProof of Payment、つまり支払い証明になります。
ストリートカーや駅構内などでは、検札で支払い証明の提示を求められることがあります。そのときは、乗車時に使ったものと同じカードやスマホを提示します。
「友達のカードでまとめて払った」「乗るときはスマホ、検札時は物理カードを出す」といった使い方は、支払い証明としてうまく確認できない可能性があります。TTCでは原則として、1人1つの支払い方法でタップすると考えておくと分かりやすいです。

PRESTOカードは必要?
トロントに長く住むなら、PRESTOカードを持っておくと便利です。物理PRESTOカードは、TTC、GO、UP Expressの駅にあるPRESTO自動販売機や、カスタマーサービス窓口などで購入できます。
PRESTOカードを使うと、残高をチャージしてTTCに乗れるほか、アカウントに登録して残高確認、利用履歴の確認、自動チャージなどもしやすくなります。GO TransitやUP Expressなど、TTC以外の交通機関を使う予定がある人にも向いています。
スマホ派の人は、Apple WalletやGoogle WalletにPRESTOを入れて使う方法もあります。スマホやスマートウォッチを読取機にタップして乗れるので、物理カードを増やしたくない人には便利です。
ただし、デジタルPRESTOは端末の管理に注意が必要です。スマホとスマートウォッチをその場の気分で切り替えると、支払い方法が変わったり、カードが有効な端末が分かりにくくなったりすることがあります。2時間乗り換えや月間運賃上限を意識するなら、使う端末を決めておく方が安心です。
短期滞在ならPRESTOチケットも選択肢
PRESTOチケットは、紙タイプの限定利用チケットです。TTCの駅にある販売機や、トロント市内のShoppers Drug Martなどで購入できます。
1回券、2回券、1日券があり、短期旅行や数日だけTTCを使う人に向いています。PRESTOカードを買うほどではないけれど、現金よりスムーズに乗りたい場合に使いやすい方法です。
PRESTOチケットも、2時間乗り換えの対象になります。乗り換えるときは、同じチケットを読取機にタップします。検札時にも支払い証明として必要になるので、使い終わるまで捨てないようにしてください。
現金払いは少し注意が必要
TTCでは現金でも乗れますが、到着直後以外はPRESTOやタップ払いの方が分かりやすいことが多いです。
現金払いでは正確な金額が必要で、お釣りが出ない場合があります。また、PRESTOなどのような2時間乗り換えとは扱いが異なり、紙のトランスファーを使って一方向の連続移動をする形になります。
バスやストリートカーで現金払いをする場合は、必要な金額、紙のトランスファーの受け取り、乗り換え可能な範囲をその場で確認しましょう。慣れないうちは、クレジットカードやデビットカードのタップ払いの方が迷いにくいです。
定期券は買った方がいい?
2026年7月3日時点では、TTCには月パスや12カ月パスがあります。通勤・通学でほぼ毎日TTCを使う人は、都度払いより月パスの方が合う場合があります。
ただし、2026年9月1日からTTCでは月間運賃上限、いわゆるfare cappingが導入予定です。これは、同じ支払い方法で一定回数以上TTCに乗ると、その月の残りのTTC乗車が無料になる仕組みです。
導入予定の内容では、2026年9月から大人、ユース、シニア、Fair Pass利用者は、同じPRESTOカード、スマホのPRESTO、クレジットカード、デビットカードなどで1カ月に47回分の有料乗車に達すると、その月の残りのTTC乗車が無料になります。これに伴い、対象の月パスは2026年8月31日で終了予定です。
つまり、2026年夏までにトロントでTTCを使う人は、まだ月パスを検討する場面があります。一方、2026年9月以降は、先に月パスを買うというより、同じ支払い方法で使い続けて、自動的に上限に到達するかを見る形になります。
ここでも大切なのは、支払い方法を月の途中で変えないことです。PRESTOカード、スマホ、クレジットカードを混ぜて使うと、乗車回数のカウントが分かれてしまう可能性があります。通勤・通学で頻繁に使う人ほど、1つの支払い方法に統一しておきましょう。
GO TransitやMiWayに乗り換える人はOne Fareも確認
トロント市内だけでなく、郊外から通う人や、Mississauga、York Region、Brampton、Durhamなどへ移動する人は、OntarioのOne Fare Programも確認しておきたい制度です。
対象の支払い方法で、TTCとGO Transit、MiWay、York Region Transit、Brampton Transit、Durham Region Transitなどを乗り継ぐと、TTC分が無料または割引として自動計算される場合があります。
GO TransitやUP Expressは、距離に応じて運賃が変わるため、乗るときのタップオンだけでなく、降りるときのタップオフも重要です。タップオフを忘れると、正しい運賃にならないことがあります。
住むエリアを選ぶときは、家賃だけでなく「TTCだけで行けるのか」「GOやMiWayも使うのか」「毎日何回タップするのか」まで考えると、実際の生活費が見えやすくなります。

トロント到着直後はどうすればいい?
トロントに着いたばかりなら、最初から完璧に理解しなくても大丈夫です。
まずは、クレジットカード、デビットカード、スマホ決済、またはPRESTOカードのどれか1つを決めて、TTCに乗るたびに同じ方法でタップしましょう。2時間以内の乗り換えでも、毎回タップすることを忘れなければ、基本的な移動はできます。
長期滞在になる場合は、落ち着いてからPRESTOカードやスマホのPRESTOを用意し、アカウント登録、残高確認、自動チャージなどを設定していくとよいです。
通勤・通学ルートが固まるまでは、都度払いで様子を見るのも現実的です。どれくらいTTCに乗るかが分かってから、月パスやfare cappingを意識すると、無駄な支払いを避けやすくなります。
81 Torontoで次にできること
TTCやPRESTOは、トロント生活の最初の一歩です。空港から市内への移動、部屋探し、学校までの通学時間、仕事先への通勤ルートなど、実際の生活では交通と住まいがセットで関係してきます。
81 Torontoでは、トロントで生活を始める人向けに、交通、住まい、SIM、銀行、仕事探し、掲示板などの情報を日本語で整理しています。
公式リンク
TTCとPRESTOの運賃、乗り換え、定期券、割引制度は変更されることがあります。実際に利用する前に、以下の公式情報を確認してください。
一般情報としての注意
この記事は、トロントでTTCやPRESTOを使い始める人向けの一般情報です。運賃、割引、定期券、fare capping、One Fare Program、検札時の扱いなどは変更される可能性があります。
実際の支払い、割引運賃の設定、定期券購入、他交通機関との乗り換えについては、TTC、PRESTO、各交通機関の公式情報を優先してください。掲載情報の正確性や、個別の乗車・支払い結果を保証するものではありません。


